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灰の中から立ち上がる – アルヴァ・アアルトと戦後のロヴァニエミ

ロヴァニエミは、第二次世界大戦でひどく被災し、1944年には、およそ90%の建物が破壊されました。再建の過程は、戦後まもなく、フィンランドを代表する建築家、アルヴァ・アアルトの主導で始まりました。

トナカイの角の形の街

ラップランドの首都であるロヴァニエミに、地域を象徴する動物、トナカイの角の形より、もっとしっくりするものがあるでしょうか?アアルトの天才的なビジョンにより、ロヴァニエミ市の中心は、ケスクスケンッタ・スポーツスタジアムを目とした、トナカイの頭の形の中に納まっているのです。北、西、南に続く道が角にあたります。

ロヴァニエミ行政センター

ロヴァニエミにあるアアルトの主な建築物は、アアルトセンターとも呼ばれる、行政文化センターです。ロヴァニエミ市役所(写真)、ロヴァニエミ市立図書館 、会議場で、ロヴァニエミシアターの本拠地でもあるラッピハウス で構成されています。
1968年に建設の完成した図書館に続き、1976年には、アアルトがこの世を去る前に完成した最後の建物、ラッピアハウス(Lappia House)が建設されました。彼の死後は、アアルトの妻、エリッサ・アアルトが引き継ぎ、1986年に市庁舎が完成しました。

アルヴァ・アアルト設計の家

大きな公共施設だけでなく、アルヴァ・アアルトは、ロヴァニエミで、家の設計も手掛けました。コルカロリンネ(Korkalorinne)住宅地区 には、公園のようなエリアに、アアルトが設計した低層ハウスやアパートがあり、ロヴァニエミの中心には、実業家のアホ家のために設計された建物がいくつかあります。

幅広い建築家層

ロヴァニエミの建築において重要な人物の1人に、アアルトと同時期に活躍したファーディナンド・サロカンガスがいます。彼は、いくつかの行政機関の建物と家を設計しました。もっとも有名なのは、ロヴァニエミ消防署旧ロヴァニエミ市役所(写真)で、現在はアークティック・ライト・ホテルとなっている建物です。

アルクティクム博物館(ARKTIKUM)– 具現化された北極圏

ラップランド博物館とアークティック・サイエンスセンターの横にあるアルクティクム博物館(Arktikum)は、ロヴァニエミでもっとも特徴を持った建物の1つです。フィンランドの独立75周年を記念して1992年12月6日から一般開放されました。アルクティクム博物館は、デンマークの建築家グループ、Birch-Bonderup & Thorup-Waade が設計しました。建物の特徴的なガラスのチューブは、その先が向いている北の地の凍った様子を表現したものです。

コルンディ(KORUNDI)– 郵便バスの停車場が文化センターに

1933年に建てられた郵便バスの停車場は、第二次世界大戦で破壊されなかった数少ない建物の1つです。何十年もの間、様々な用途に使われましたが、1986年にロヴァニエミ美術館、後にコルンディ・ハウス・オブ・カルチャーとなりました。

ピルケ(PILKE) – たぐいまれな木構造

フィンランドの林野庁が所有、運営している、ピルケサイエンスセンターは、木造の建物です。この建物は林野庁の環境方針を象徴し、90%の建築素材がフィンランド産です。木造建築の専門家APRT建築スタジオが設計し、2011年にオープンした建物のガイドラインは、サステナビリティ(持続可能性)、自然光、周りを囲む丘と川の風景を勘案したものです。

ヤトカンキュンッティラ(「きこりのキャンドル」)橋 – 現代の象徴

ロヴァニエミのランドマークとして知られている場所が1つあるとするなら、 ヤトカンキュンッティラ橋です。1989年に通行できるようになった320mの橋は、オーナスヴァーラと街の中心をつないでいます。ヤトカンキュンッティラは、20世紀のロヴァニエミで一般的だった職業、きこりが木を削って作るトーチの形に似ていることから名づけられました。

ロヴァニエミの建築ツアー

ロヴァニエミで必見の建築は、それぞれが近い場所にあるので、歩いて見て回ることができます。トナカイの角の形の街の設計もある程度まで見られるでしょう。詳しくは、ロルディ(Lordi)広場にある観光案内所にお尋ねください。